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のばなぶろぐ

言葉にするには、少しばかり間に合わなかったことや、
ただ、そこにあっただけの景色のことを、
遅れながら、思い出しながら、書いています。

家族のこと。
クリニックのこと。
誰かの顔や、名前もない感情のことも。

決まった形も、特別な意味もないけれど、
それでも、どこかでつながっている気がして、
ときどき、こうして綴っています。

これは、院長による、そんな日々の記録です。

くちパク医師の亡霊 (2025.06.21更新)
今日の夕方のことだった。 一人の患者さんが、診察室の扉を閉めかけたところで、ふと立ち止まり、 少しだけ声のトーンを下げて、そっと言った。 「先生、あの……待合室の動画、字幕がないと、音声もないし… ▼続きを読む

動画の中の指先のメロディと、背中に届いた小さな手 (2025.06.16更新)
梅雨らしい、しっとりと静かな日曜日。ゆっくりと目覚めた朝、隣には奥さんだけ。気づけば、子どもたちはすでにリビングで『名探偵コナン』の世界に夢中になっていた。 今日は本来なら、こどもたちのピアノの発表… ▼続きを読む

来た順番にもさよならを言わない (2025.05.24更新)
午後の診療を、少しだけ変えることにしました。 2025年5月26日から、のばなクリニックでは平日午後の診療を予約制にします。 診療開始は午後1時45分から。この時間帯だけ、前もって「順番」を決めて… ▼続きを読む

たとえば、そんな音があったかもしれない (2025.04.24更新)
クリニックの待合室にある自動販売機は、たいてい黙っている。 でも、ときどき、誰かの指先に反応して、短く「ガコン」と音を立てる。 静かな待合室に響くその音は、何かが終わる音にも聞こえるし、何かが… ▼続きを読む

釣りバカ日誌 〜海がまだ、よそよそしい。 (2025.04.20更新)
今朝は、誰よりも早く目覚めた……わけではなかった。 正直に言えば、目覚ましが鳴るより先に、長男の「起きて!釣り行くよ!」という声で叩き起こされた。まだ薄暗い部屋の中、長男の声だけがやけに透き通って… ▼続きを読む

桂馬の跳ねる音が聞こえる (2025.04.16更新)
ぼくは自分の父親に将棋で勝ったことがない。正確に言えば、勝とうとしたこともほとんどない。父との将棋では、いつも盤上には静かな風が吹いていて、こちらが何か駒を動かすたびに、まるでその風に押し戻されるよう… ▼続きを読む

うすい光のなかで (2025.04.12更新)
3月の第5土曜日、4月の第1土曜日と2週続けて土曜日に診療があった。 それは、ただのカレンダー上の事実にすぎない。数字としては「+1日」だ。 でも、実際にその中で動いていた人間の体と心は、たぶんも… ▼続きを読む

余韻 (2025.04.06更新)
診療が終わったのは、14時を少し過ぎたころだった。 西公園で桜祭りをやっている。そんな話を昼に耳にした。 なんとなく屋台くらいはあるんじゃないかと期待して、終わってすぐに家族を呼んで、歩いて向か… ▼続きを読む

マンカラ3日目、本気の1勝1敗 (2025.04.05更新)
今夜も、マンカラをした。 もう“ついで”じゃない。本気でやっている。 こどもが寝たあとの時間は貴重だし、仕事の前にやるべきことなんて山ほどある。 でも、それでも、盤を出す。 もはや日課じ… ▼続きを読む

マンカラのある生活。 (2025.04.03更新)
2日前から、夜に妻とふたりで“マンカラ”というゲームをやっている。 名前だけ聞くと、ちょっと魔法っぽい。あるいは、民族楽器か何かのようでもある。でも中身はれっきとしたボードゲームで、木の盤にくぼみが… ▼続きを読む

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