今日の空は、僕のためにひとつだけ間違えてくれた。
大井川の河川敷を10㎞走り、そのまままっすぐ帰るのももったいなくて、家族で藤枝の瀬戸谷温泉へ寄り道した。
湯に浸かると、足の疲れがふっと溶けていく。
湯気の向こうに見える緑を背景に、いまさら雨が降り注ぐ。
そしてすぐにやんだ。
「今日の空は、僕のためにひとつだけ間違えてくれた。」
たしかに、あの晴れ間は誰も予想していなかったはずだ。
僕は水風呂と露天風呂を行き来し、温泉でゆでだこになった息子は、背もたれの倒れたベンチで目を閉じていた。
風呂上がりには、僕は鶏の照り焼き定食、妻はカツカレー、息子はラーメン、長女はうどん、次女はカレーライス。
そして、みんなで枝豆をシェア。
せっかく藤枝にいるのだからと、帰り道にななやの抹茶アイスへ。
番号のついた濃さの中から、僕は「No.5」、妻は「No.4」、息子は「玉露アイス」、娘たちはともに「No.3」。
みんなで味をシェアして、僕のNo.5が一番濃厚で一番人気だった。
苦味よりも濃厚さが圧倒していた。
走ったあとの体に、苦みと甘みがしみていく。
マラソンの記録はいつか忘れるかもしれないけれど、帰り道の温泉とアイスの味は、きっとしばらく残る。
そんな日曜日、大井川マラソンの10㎞部門を走りきってきた。
