夜の底で、終わったことだけが正座している
昨日が今年最後の診療日だった。
1年が無事に終わった。拍子抜けするくらい、あっさりと。
達成感は、どこかに置き忘れてきたようだった。
探せばあるのかもしれないけれど、探す気力がでなかった。
終わった、という事実だけが、院長室の隅で正座していた。
夜、ほんの少しだけ余韻にひたった。
といっても、深く考えられるほど立派な余韻じゃない。
「ああ、終わったんだな」と思った次の瞬間には、意識が途切れていた。
ほんの少し寝て、起きる。
自分でも驚くくらい中途半端な睡眠で、夢を見たかどうかも怪しい。
Nobanaclinic Lab.のアニメーション動画をひとつつくる。
レセプトを仕上げる。
感情を横においたまま、眼の前の課題をこなす。
今の自分にはちょうどいい。
その合間に、この文章を書いている。
誰が読んでいるかわからない、誰にも読まれないかもしれない文章を、わざわざ書いている。
無事に終わった日というのは、ご褒美のケーキより、こういう地味な時間が安心だ。
ホッとした。
それ以上の言葉は思いつかないし、たぶん要らない。
まだまだ夜は明けない。
