メニュー

白いスープと白い紙

[2025.10.24]

昨日の夕方、複合機のドラムユニットが限界を迎えた。 「交換してください」という、冷静すぎる指令。 懸命なスタッフの清掃ではなんとかならなかったようだ。申し訳なさそうなスタッフに申し訳ない気持ちになる。

夜、家族で豆乳鍋を囲む。短冊切りの大根、斜めに切られた長ねぎ、そして牛肉だと思って食べていた豚肉。けれど心のどこかで、あの機械のことが離れなかった。

娘を寝かしつけたまま眠りこけ、寒さで目が覚めた。車に乗り、真夜中の大月線を北上。“ドラムユニットリセット”。ボタン長押しすることでのみ達成される隠しボタン。リセットは成功したが、すぐに新しいエラーメッセージがふたつ。修理した屋根から、別の雨漏りが始まった。

もうだめなのだろう。Amazonで新しい複合機を注文。届くのは週末。カフェインレスのホットコーヒーでコーヒーブレイクした後、院長室のプリンターを抱えて階段をおりた。ふたつのPCと自動精算機にこのプリンターの設定を施す。

外はまだ暗いけど、時間は無限じゃないんだ。

「いやまてよ、スキャンはできるよな」とつぶやき、複合機に戻る。試しにスキャンをしてみると――できた。その瞬間、画面が動き出し、紙がスルスルと出てきた。とりあえず、複合機は蘇生した。新しいプリンター設定する時に、複合機の修正プログラムも動いていたのだが、それがカウンターショックになったのだろうか。偶然なのか、因果なのか。

夜を越えて生き返った複合機が、溜めこんでいた声を吐き出すように印刷をはじめた。
積み重なる白に、昨日の白いスープを見た。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME