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途中でやめなかった日。休むことを覚えた一週間。

[2026.07.07]

6月の最終日曜日、名古屋の庄内緑地公園で開催された30kmマラソンに参加してきました。
大会というよりは、タイムトライアルに近い雰囲気のイベントでした。名古屋市内の庄内緑地公園を2.3km、13周と少し。荷物置き場には屋根もなく、受付で渡された大きなゴミ袋にリュックを入れて、ブルーシートの上に置く。朝は台風が過ぎ去ったばかりで、土砂降りでした。
「今日は雨でよかった。」
ゴールする頃には、そう思うほど暑くなっていました。

前日は、子どもたちの先輩が出場する東海大会がトヨタであり、家族で応援に来ていました。そのまま名古屋に泊まり、翌朝、まだ家族が寝ている中、妻にだけ少し挨拶をしてホテルを出ました。
傘を持たされ、地下鉄に乗り、雨の庄内緑地公園へ。

最初の20kmくらいまでは、思っていたより順調でした。キロ6分のペーサーの集団でリズムを保ちながら走ることができました。ただ、振り返ると、序盤から少し腰に違和感がありました。それを無意識にかばっていたのかもしれません。
23kmあたりから、膝の外側がピキピキし始めました。

走ると痛い。歩くと少し落ち着く。また走る。また痛い。たぶん腸脛靱帯炎だったのだと思います。

何度も棄権を考えました。どうやってリタイアするんだろう。係の人に何て言えばいいんだろう。残り4周くらいからは、そのことばかり考えていました。でもこの大会は周回コースです。
あと4周。
あと3周。
あと2周。
数字にすると絶望的なのに、不思議と「ここまで来たんだから、歩いてでもゴールしたい」という気持ちもありました。

1周ごとに給水所があります。走っている人が少しずつ減っていきます。給水に立ち寄る人も減っていきます。スタッフの方が聞いてくれました。
「あと何周ですか?」
「あと2周です。」
「もう少しです。頑張ってください。」
たった、それだけです。でも、その一言が、その日の僕には驚くほど大きかった。あと2周。その「あと2周」が、途方もなく長く感じていたからです。

最後の1周、コース上に大会参加者はほとんどおらず、一般のランナーや散歩をしている人、大音量で音楽を流しながら走る自転車少年しかいませんでした。
自分だけが取り残されたような気持ちでした。それでも、最後の400mくらいは、歩いてゴールするのが申し訳ない気がして、小走りでゴールしました。
4時間まで残り20秒ほどでした。

ゴール後、給水所はもう片付けが始まっていました。それでもスタッフのお兄さんがスポーツドリンクを差し出してくれました。その一杯が、とてもおいしかった。

本当は、そのあと近くの温泉に行く予定でした。でも、温泉までの2kmが歩けませんでした。階段も下りられない。膝が痛くて着地できない。「膝を痛めるって、こういうことなのか」と初めて思いました。

妻に電話して、「温泉どころじゃない。撤退します。」と伝えました。家族は名古屋港水族館に遊びに行っていましたが、少し早めに切り上げてもらって迎えにきてもらいました。

コンビニまで歩くことさえ大変でした。朝から塩とオイルだけで走っていたので、お腹も空いている。でも歩けない。情けないような、すがすがしいようないろいろな感情が入り混じった時間でした。受けとった完走証をにぎりしめ、ミックスナッツをつまみに炭酸水を飲んでコンビニの駐車場でひとり祝杯をあげながら待った30分を最後に、車に放り込んでもらって僕の名古屋の30㎞走の旅は無事終わりました。

翌日はロキソニンを飲み、膝に湿布を貼って仕事へ。朝礼でスタッフに、「30km走って膝をやっちゃったので、今日は動きが遅いです。」と伝えました。

それから1週間、しっかり休みました。走らない。HIITもしない。無理をしない。すると、膝だけでなく、体全体が回復していく感じがありました。2月からランニング通勤、HIIT、ヨガと、少し詰め込みすぎていたのかもしれません。今回の怪我で、トレーニングだけでなく、回復も練習の一部だと感じました。

結果を見ると、約100人中30人が棄権していました。僕は完走者の中では下から2番目でした。それでも、30kmを最後まで進んだことは、自分にとって大きな経験になりました。もし途中でやめていたら、9月の白馬の30kmトレイルは、もっと怖く感じていたと思います。

今回は、少し膝を痛めました。

けれど、あの30kmを途中で終わらせなかったことは、たぶんこれからもしばらく、自分の中のどこかに小さく残り続ける気がします。

次は、もう少し賢く走りたいと思います。

速くなることや、強くなることだけではなく、休むこと、眠ること、整えること。

そういう静かな時間も、きっと前に進むための大切な練習なのだと思います。

9月には、山へ向かいます。

今度は頑張ることだけを荷物にするのではなく、休むことも、整えることも、一緒に連れていこうと思います。

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