メニュー

遅延2&ベンリスタ5周年

[2022.12.18]

見込みが甘かった。全然復旧しない。スマホの電池がなくなる。周りの人が増える。すべての駅員が取り囲まれている。乗ろうとしていた新幹線は運休になり指定席の効果が消失。

ということで、待っていても、密だし、コロナにかかりたくもないし、スマホの画面は黒いし、周りの人はイライラしているし。駅員さんはかわいそうだから、一旦ホームから離れることにしました。

まずは電源探しのために八重洲地下のスタバでちょうどコンセントのあるカウンター席のおじさんが席を立つ瞬間に「ここいいですか?」とすかさず声をかけて電源を確保した。2時間くらいホームにいて、なんかとても疲れたから、冬だけどアイスコーヒーにしてみた。

なんと、電源が2つもついている!?ヤッター、PCで作業しながらもスマホに栄養を与えられるぞ!

疲れたけど、なんか元気でてきたから、おしゃれにスタバで今日のベンリスタ発売5周年記念講演の内容をまとめちゃう。

 

産業医大田中先生の総括から。

・教科書であるハリソンのSLE治療の概略にもNot life thereatningなSLEにはHCQ±GCとHCQファーストが浸透してきた。

・SLEは人種差が良く知られているアジア人は腎症が多く(50%)、白人はAPSの合併が多い。

昨日に引き続き和歌山の藤井先生からは、SLEの自己抗体について。

・ACR/EULAR 2019のSLE分類基準はFANA≧80が必須であることが示され、SLEは自己免疫疾患であることが強調された。

・抗NCS抗体は感度は低いが特異度は高い。

・SLEは自己反応性B細胞の非特異的活性化であり、それはおそらくNot pathogenic accivationだろう。

・過去にAbetimus Sodiumという抗DNA抗体に対する抗体が作られて、抗DNA抗体をターゲットに治療してみたが、実際に抗DNA抗体価は下がったものの、病勢は抑えられず、失敗に終わった。→抗DNA抗体に直接的な病原性がないことが証明された。

・SLEではB細胞を活性化するBAFF(B cell activating factor)濃度が上昇していて、抗DNA抗体価やSLEDAIときれいに相関した。

・抗リボソームP抗体は海馬に結合してNMDARシグナルやグルタミン酸シナプス活性化を起こし、NPSLEと関係する可能性が示唆されている。

・抗リボソームP抗体は意外とNPSLEに特異的ではない。SLEとしては特異的だけど。

・SLEのCSF中の抗体がIFNαやIP10、IL8、MCP1の産生を刺激して精神神経LUPUSを起こす。

慶應の金子先生は「LNのUp to date」ということで、

・SLEのMortalityはこの20年間で変わっていないかもしれない(メキシコのデータ)?

・SLEの死因はCVDやInfection、Renal diseaseが多いが、前2者はステロイドの副作用に起因していて、後者はSLEの症状に起因する。MalignancyはSLEの死因としては多くない。

・LNの腎予後は97%/5年、93%/10年

・PSL総量とSDIはきれいに相関しており、PSLの累積投与量をいかに減らすかというのはとても重要。

・LNの治療目標として蛋白尿0.7g/日以下というのはだいぶ甘い目標かも。7年後のCr<1.0の達成のための12カ月時点での尿蛋白が0.7g以下であれば感度・特異度が優秀というデータが根拠となっているが。

・LN寛解患者の腎臓を再生検した研究では、臨床的寛解が得られていても線維化の進行や活動性病変が残存している症例がみられた。→Deep remissionが大事。0.15g/gCrを目指せ。

産業医大の久保智史先生は卒業年度が僕の1こ上だったな。すごいなぁ。

・SLEの遺伝的素因の研究からわかる病態

1)SLE様の表現型をとる単一遺伝子疾患(レアバリアント)
 →補体経路の関与、細胞死の異常

2)GWASによって見出されたSLEの疾患感受性遺伝子
 →HLA-DRB1、IFN signatur、B cell 活性化、T cell 活性化

3)ターゲットシークエンスによるSLEの遺伝的素因
 →BAFF、IL2シグナルの変調

・BAFF受容体は脾臓のTransitional B cell、成熟B cellくらいの分化段階のB cellで多く発現しており、そこに作用。

・SLEでは分化したB cellの割合が多い。これはRAではみられない。

・BLM は自己反応性B細胞(悪玉B細胞)のアポトーシスを誘導し、正常B細胞にはあまり影響しない。

・BLMを追加した症例でGCフリーとなったPtが30%!!

 

最後にDiscussion

●SLEの5年間の変遷

・HCQ、BLM登場によりGCフリーを目指せるという考え方が広まった。

・Not life thereatning症例ではGCを最初から使わない症例が増えた。

・寛解導入期は非特異的なサイトカインや炎症の沈静化のためのGCは必要だが、落ち着いた維持期にはBLMで炎症をとった後に残るGWASなどでわかっているSLEの病態を特異的に是正する治療にたどり着きつつある。

・BLMはどのタイミングでもつかっていい。

・NPSLEにBLMはうつなどの報告があり、十分なICが必要だが、BLMがうつを誘導するEtiologyや蓋然性はない。

 

ふう、疲れた。

新幹線復旧したみたいですが、人でごった返しているホームに戻るの憂鬱です。。。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME