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多職種連携会

[2022.12.04]

昨日は記念すべき第一回静岡県西部リウマチ多職種連携研究会がありました。だいたいこういう研究会って聴講者は10人くらいが関の山だったりするんですが、いってみたら30~40人くらいいてびっくりしました。

浜松のリウマチ医療は特にコメディカル含めた多職種連携の未来は明るい!と確信して帰ってきました。

大学の免疫内科の先輩方も勢揃いで、第一部は開業医の大先輩の木本先生と木本クリニックのリウマチケアナースさんのお話しでしたが、これがまた良かった。学ぶことを陰で支えるために院長がすべきこと、ナースが自律してリウマチケアを実践していくこと。

桃原先生のお話しはいつも通りの圧巻のパフォーマンス。

今回はClinical Inertia(臨床的惰性、慣性)⇔Reverse clinical inertiaについてちょっとまとめておこうと思います。

Clinical inertiaとは、例えば関節リウマチでまだ寛解に達していない(関節炎の活動性が残存している)ので治療を強化しなければいけないのに、治療強化できなくて、関節破壊が進行してしまった、など”臨床的惰性”として、いわば臨床医に対する戒めのような言葉になります。しかし、リウマチ治療は日進月歩でだいぶTreat to Targetの概念が浸透しており、治療強化の重要性は個人的には日々非常に慎重に診療できているかなと思っています。

ただ、このClinical inertiaには医師側の要素、患者さん側の要素、チーム医療的な要素とあります。昨日の会の趣旨でもありましたこのチーム医療的な要素については、これから自院で取り組んでいくべきテーマだと思っています。例えば私がMTXを処方する際に患者さんにしている説明を、看護師さんからも同じように説明して頂く。説明内容を共有することによって、患者さんに何が重要なのかをよく理解してもらえるようにと取り組んでいくなどの工夫が考えられます。薬に対する誤解やリウマチに対する誤解を取り除いていけるよう、チームとしてリウマチ医療に取組んでいく必要があると思っています。

一方で、Clinical inertiaの反対の言葉であるReverse Clinical Inertiaについては今後もっともっと考えていかなければならないなと考えています、つまり、治療を減弱する必要があるにも関わらずそれがなされていない状態です。
関節リウマチ治療薬はMTXに代表される抗リウマチ薬は常に肝臓の繊維化や感染症などの合併症を起こす可能性のある薬剤です。寛解に達した患者の今後の人生まるまるMTXを飲ませ続けるべきかどうか。しかし、これがまた難しいのは、内服終了するとかなりの確率で再燃してくるという事実があること。桃原先生の見解としても、少なくとも一つずつ丁寧にゆっくり減量・休薬していくことは考えられるかもしれないとのことで、やはり抗リウマチ薬の減薬中止については非常に慎重なお立場でした。だからといって、Reverse Clinical Inertiaになっていないか常に点検して患者さんとShared decision makingしていかなければならないですね。

はい、ちょっと長くて難しい話でしたね。おわり。

久しぶりにたくさんご挨拶ができて、楽しかったっす。

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