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膠原病診療を極める!Young Rheumatologist conference

[2023.05.20]

今日は朝から大学の回診をして、夕方にWEB講演会に参加してきました。

第Ⅰ部は「ヒドロキシクロロキンについてとことん学ぼう」埼玉医科大学病院 リウマチ膠原病科 和田琢先生

▼HCQ歴史のお話
1955年に日本でCQが承認→1962年にCQ網膜症が報告され、1974年に発売中止。→「クロロキン被害者の会」が設立。
1991年にHCQがSLE再燃抑制を証明した世界初のRCTが報告。
2006年にHCQは血栓イベントを予防し、生命予後を改善。
2009年にループス腎炎において腎予後を改善。重症感染症リスクを下げる。
2012年にサノフィが日本において開発治験開始。
2015年にSLE、CLEに適応が通り本邦で発売。

▼HCQの薬理
分布容積が大きく、半減期が約50日と長いため、作用発現が遅く薬剤中止後も効果が持続する。
メラニン含有組織に長期間残留し、網膜毒性に関わる。
40~50%は腎臓から排泄される。
腎不全患者における減量のエビデンスは乏しい

▼作用機序
ライソゾーム活性阻害
→ライソゾームは体内のゴミ処理場。オートファジー器官。HCQはライソゾームや炎症組織に蓄積され、その活性を阻害する。
→ライソゾームの抗原提示機能を阻害する。

TLR7/9(pDCに強く発現しIFNαを誘導する)の阻害
→SLEでは自己抗原が細胞内に取り込まれTLRを活性化させてINFαを誘導する。
→HCQは核酸に直接結合しTLRとリガンドの結合を阻害しTLR9を遮断する。

▼臨床効果
・SLE再燃抑制効果
・血栓抑制効果
・脂質異常症、糖尿病予防効果
・胎児の先天性疾患予防効果

▼副作用
・網膜症・・・10年以上の使用で5%発症。
・皮膚過敏症が5%(内服1~2週間で発症)。
・消化器症状

 

同世代のアツい先生方のディスカッションもあり、ヒドロキシクロロキンを再考する良いきっかけになりました。

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