やせ薬
患者さんに体重が増えて困っています。というような相談を受けることがたびたびあります。もちろん、病気として体に水が溜まって体重が増えているのであれば、その原因の治療が必要ではありますが、単純にカロリー過多で体重が増えている場合もあります。もちろん、それは嗜好の問題だけじゃなくて、精神を安定させる薬だったり、ステロイドだったりの治療薬の副作用としての食欲増進というものがあって食事指導や運動指導だったりというものがうまくいかないケースもあります。
先日もそのような相談を受けたので、今話題のGLP-1製剤について調べてみました。そしたら、たしかに体重減少作用は確実にあるようなのですが、最近添付文書に「胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸」を追記されてるんですね。その理由が▶GLP-1製剤と急性胆道系疾患関連症例(胆囊炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸)との因果関係が否定できない国内症例が集積。▶ GLP-1製剤の胆囊収縮抑制作用などの薬理機序から、胆石発生が促され、胆囊炎などの急性胆道系疾患が引き起こされる可能性がある。▶GLP-1製剤の使用により急性胆道系疾患のリスク上昇を示唆する公表文献が複数報告されている(JAMA Intern Med 2022; 182: 513-519、JAMA Intern Med 2016; 176: 1474-1481 )などが挙げられていました。
もちろん、GLP-1製剤の体重減少におけるメリットは大きいと思いますので、これらに十分に注意して使用することが大事ということですよね。
ただ、食事・運動療法から薬物療法に踏み切るラインの見定めはほんと患者さん個々人でだいぶ違う気がしますので、丁寧な指導が大事ですね。